iPIC事業関連の論文が掲載されました。「ヒトiPS細胞から作製した膵島様細胞に混入する目的外細胞の特性評価にもとづく除去」

糖尿病の根治的な治療法として、ES細胞やiPS細胞などのヒト多能性幹細胞から作製した膵島様細胞の移植が期待されています。人工的に細胞を作製すると目的外の細胞が混入する可能性があります。特に大量の細胞移植が必要となる臨床応用にむけて、安全性の観点から可能な限り混入を低減することが望まれますが、混入する細胞は非常に稀な細胞集団であるため、解析が困難で不明な点が多いという課題があります。

日吉秀行 主任研究員(武田薬品工業株式会社T-CiRAディスカバリー)、当社主任研究員である佐久間健介・山添則子、および当社サイエンティフィックアドバイザーである豊田太郎 講師(CiRA増殖分化機構研究部門、T-CiRA 現 CiRA未来生命科学開拓部門)らの研究グループは、ヒトiPS細胞由来の膵島様細胞の遺伝子発現を単一細胞レベルで解析することで、製造過程で混入の可能性がある目的外細胞の特徴を同定し、高感度に検出する方法を見出しました。また、目的外細胞の除去方法として、細胞増殖に関わるPLK分子の阻害や、解糖系の阻害といった新規の方法が有効であることを示しました。これらの知見は、移植治療のためのヒトiPS細胞由来膵島様細胞の大量製造において、既存の方法と組み合わせて目的外細胞を除去し、安全性を高めることに役立つと期待されます。

この研究成果は、2022年3月18日(英国時間)に英国科学誌「Scientific Reports」にオンライン公開されました。

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詳細は京都大学iPS細胞研究所 CiRAのウェブサイト(外部サイトに遷移します) をご覧ください。

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オリヅルセラピューティクス株式会社 広報担当

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