iCM事業関連の論文が掲載されました。「伸長刺激とERRγ agonist を組み合わせることにより、人工心筋組織を用いた肥大型心筋症の病態モデリングに成功」

iPS細胞から分化させた心筋細胞は様々な心疾患の治療法の開発に利用されています。しかしながら、iPS細胞由来心筋細胞は成人の心筋組織に比べると未熟であり、病態を正確に再現することが困難でした。そのため、iPS細胞由来心筋細胞を成熟化させる技術を確立し、正確な心疾患モデルを作製することは、心疾患の治療法開発をさらに加速すると期待されます。

藤原侑哉氏(京都大学iPS細胞研究所・T-CiRAプログラム研究員)、三木健嗣氏(元ハーバード大学兼マサチューセッツ総合病院リサーチフェロー、元CiRA増殖分化機構研究部門特定助教兼T-CiRAプログラム研究員)、当社心筋細胞治療事業部長 西本誠之(前T-CiRAプログラム共同主任研究員)、および当社サイエンティフィックアドバイザー 吉田善紀氏(京都大学iPS細胞研究所准教授、T-CiRAプログラム主任研究員)らの研究グループは、伸長刺激とERRγ活性化剤を組み合わせることにより、iPS細胞から成熟した人工心筋組織(ECT:engineered cardiac tissue)を作製する方法をT-CiRAプログラムを通じて開発し、より正確な肥大型心筋症の病態を再現することに成功しました。
本研究において成熟化誘導に用いられたERRγ活性化剤は、効率的な成熟化誘導を促し、iPS細胞由来心筋細胞の再生医療への応用や、その他の心疾患モデリング研究の進展への貢献が期待されます。

この研究成果は、2023年10月6日(日本時間)に英国科学誌「Stem Cell Reports」にオンライン公開されました。
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詳細は京都大学iPS細胞研究所 CiRAのウェブサイト(外部サイトに遷移します)をご覧ください。

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iPS細胞由来心筋細胞 (iCM) について
iCMは、CiRAの吉田善紀准教授をプロジェクトリーダーとして開発されたiPS細胞由来心筋細胞です。CiRAにおいて研究を進めてきた心筋分化法を、T-CiRAプログラムにおいて見出された低分子化合物を用いた心筋精製法などを用い、さらに実用化に向けて改良を進めています。iCMは、高い生着能を有し、かつ純度の高い安全な心筋細胞で、患者さんの心臓に移植することにより、病気の進行に伴い失われた心筋細胞を補充し、再筋肉化を促すと期待されています。これまで治療が難しいとされてきた重症心不全の心機能が回復し、患者さんのQuality of Life(QOL)ならびに生命予後の改善が期待できます。

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<オリヅルセラピューティクス株式会社(OZTx)について>
2021年4月に京都大学イノベーションキャピタル株式会社によって設立されたOZTxは、「科学の無限の力で世界により良い健康への希望をもたらす」というビジョンを掲げています。患者さんに細胞医療を届けるために、以下の事業内容を通じて、再生医療等製品および革新的なiPS細胞関連技術の社会実装を推進します。
1. 細胞移植による再生医療等製品の開発
2. iPS細胞関連技術を利活用した、創薬研究支援および再生医療研究基盤整備

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オリヅルセラピューティクス株式会社 広報担当
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